タイトル
第58巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

ニボルマブ単回投与10か月後に下垂体機能障害が顕在化した非小細胞肺癌の1例

久保田 豊1, 久野 はるか1, 廣瀬 和紀1, 古谷 渉1, 長谷川 功1, 山本 千恵2
1日本赤十字社京都第二赤十字病院呼吸器内科, 2京都府立医科大学呼吸器内科

背景.非小細胞肺癌に対し免疫チェックポイント阻害剤を投与する機会が増えている.様々な免疫関連副作用が報告されており,そのマネジメントの重要性が叫ばれている.症例.70歳,男性.進行期肺腺癌に対しニボルマブを投与した.投与数日後より激しい下痢,嘔吐があり,再投与は行わなかった.投与10か月後に倦怠感,食思不振,低ナトリウム血症が出現,対症療法を行っていたが,症状は遷延し寒気の訴えや低血圧が出現した.精査の結果,下垂体機能低下症,二次性副腎不全と判明した.経口ヒドロコルチゾン補充により速やかに改善した.結論.たとえ単回投与で,長期間経過していても,ニボルマブによる免疫関連副作用には留意する必要がある.
索引用語:ニボルマブ, 非小細胞肺癌, 下垂体機能低下症, 二次性副腎不全

受付日:2018年7月27日
受理日:2018年9月11日

肺癌 58 (7):980─983,2018

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