タイトル
第59巻第1号目次 In Japanese

─ 巻頭言 ─

大江 裕一郎
学会誌「肺癌」編集委員長 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科 科長・副院長

昨年の12月から,大分大学の杉尾賢二教授の後任として「肺癌」の編集委員長に就任いたしました.学会誌「肺癌」は,昭和35年(1960年)に日本肺癌学会の前身である第1回肺癌研究会総会時に第1巻総会号が発刊されたことに始まります.そして2013年第53巻からは完全web化され印刷媒体は学術集会号のみとなっています.2014年第54巻からは,優秀論文賞が創設され原著論文と症例報告から優秀論文を選定して学術集会時に表彰を行っています. 現在,年間に掲載される論文数は約80編あり,7割以上が症例報告で残りが原著論文と総説になります.総説は編集委員会で内容を検討して年間10編程度を専門領域の研究者に執筆をお願いしています.完全web化以降は,日本肺癌学会の会員限定でダウンロード可能ですが,発刊から2年経過後はJ-stageからは会員以外も無料ダウンロードができるようになります.そのために1編あたりのダウンロード数は,100-300件程度に留まっています. 邦文雑誌であるため,インパクトファクターの取得やPubMedでの検索を可能にすることは難しい状況ではありますが,「肺癌」をさらに意義のある雑誌にするにはダウンロード数を増やすことが重要と考えています.そのための方策として,現在の会員限定のダウンロードからオープンアクセス化することを検討しています.オープンアクセス化することによって,Googleでの検索が可能になります.「肺癌」には英文抄録があり,図表も原則として英語ですので日本語を理解できない海外の研究者も,ある程度理解ができるものと考えられます.また,英文の投稿規定を作成して,海外からの英語論文の投稿を受け付けることも検討しています. このように歴史と伝統のある「肺癌」をさらに発展させていきたいと考えていますが,そのためには日本肺癌学会会員の皆様からの質の高い論文の投稿が必要不可欠です.会員の皆さまと一緒に,「肺癌」をより良い学術雑誌に発展させていければと考えておりますので,引き続きご協力をよろしくお願い申し上げます.

肺癌 59 (1):1─1,2019

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