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第59巻第1号目次 Japanese/English

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─ 委員会報告 ─

2010年肺癌外科切除例の全国集計に関する肺癌登録合同委員会報告―二次報告―

肺癌登録合同委員会, 岡見 次郎1, 新谷 康1, 奥村 明之進1, 伊藤 宏之1, 大塚 崇1, 豊岡 伸一1, 森 毅1, 渡辺 俊一1, 伊達 洋至1, 横井 香平1, 淺村 尚生1, 永安 武1, 高橋 和久1, 木浦 勝行1, 秋田 弘俊1, 滝口 裕一1, 宮岡 悦良1, 吉野 一郎1
1肺癌登録合同委員会

肺癌登録合同委員会は,肺癌治療例の全国集計を行いその結果を報告してきた.本稿は,2010年手術例を対象とした第7次事業の報告である.主たる結果については,英語論文として発表している.本登録事業では,呼吸器外科専門医合同委員会認定修練施設において2010年に行われた原発性肺癌に対する治療目的で行ったすべての手術症例を,後向き観察研究として2016年にデータを収集した.近年の肺癌外科診療の変化を鑑み,(1)すりガラス陰影を主体とした早期肺癌,(2)多発肺癌,(3)併存症・既往歴,(4)術後短期死亡および合併症,(5)2011年に行われた肺腺癌病理分類の改訂への対応,(6)肺癌の遺伝子変異,(7)術後再発と再発後治療,に関する情報を収集できるよう注力した.296施設の協力により有効登録症例数は,過去最多となる18,973例であった.これにより,本邦の手術症例の詳細なデータが明らかになった.特に,外科治療成績の重要なエンドポイントのひとつである無再発生存率について,各ステージ別にデータが示された.これらのデータが肺癌診療に大いに役立つことが期待される.
索引用語:肺癌, がん登録, 外科手術, TNM分類

肺癌 59 (1):2─28,2019

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