タイトル
第59巻第1号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (1151K)
Article in Japanese

─ 総説 ─

肺癌の定量的CT診断

梁川 雅弘1, 富山 憲幸1
1大阪大学大学院医学系研究科放射線統合医学講座放射線医学教室

肺癌の画像診断といえば,放射線科医による形態学的な評価が重要であることはいうまでもなく,結節の辺縁評価,内部評価,既存肺との関係などを評価し,画像診断を行う.しかしながら,ご存知のように,画像診断の分野では定量化が,何年も前から重要視されつつある.2007年の北米放射線学会にて,QIBA(Quantitative Imaging Biomarkers Alliance)という組織が立ち上がり,画像をバイオマーカーとして活用するための標準化された指標づくりという試みがなされてきた.実際臨床現場でも,結節の径計測にはじまり,体積計測など様々な定量化を行うことができる.多くの定量的指標の有用性が報告されるなか,やはり1次元,2次元解析は,汎用性は高いものの,主観的な影響を受けやすい.より客観的で再現性の高い解析には,3次元解析が必須である.そして近年では,人工知能を用いた研究も盛んになりつつある.本稿では,肺癌の悪性度および予後予測に焦点を置き,肺癌の定量解析や人工知能解析について概説する.
索引用語:肺癌, CT, 定量化, 人工知能

肺癌 59 (1):29─36,2019

ページの先頭へ