タイトル
第59巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

ニボルマブが著効し,器質化肺炎パターンの薬剤性肺障害をきたした肺腺扁平上皮癌の1例

北台 留衣1, 善家 義貴2, 大熊 裕介1, 細見 幸生1, 比島 恒和3, 岡村 樹1
1がん・感染症センター都立駒込病院呼吸器内科, 2国立がん研究センター東病院呼吸器内科, 3がん・感染症センター都立駒込病院病理科

背景.免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブは,既治療進行非小細胞肺癌に対して有効性が認められている.一方,副作用に間質性肺炎を認めることがあり,早期の薬剤性肺炎の対策が重要である.症例.67歳,非喫煙の女性.肺腺扁平上皮癌に対して術後補助化学療法施行.6ヶ月後に多発肺転移,右腎転移,副神経リンパ節転移を認め,ニボルマブを開始し,部分奏効の腫瘍縮小効果を認めた.7サイクル施行後に両側胸膜下主体の斑状多発浸潤影を認め,臨床経過と画像所見よりニボルマブによる器質化肺炎型の薬剤性間質性肺炎を強く疑い,同薬剤中止のうえプレドニゾロン30 mg/日を開始し,速やかに肺炎は改善した.結論.ニボルマブ使用において器質化肺炎型の薬剤性間質性肺炎を発症した場合は,早期のステロイドによる治療が重要である.
索引用語:肺腺扁平上皮癌, ニボルマブ, 薬剤性間質性肺炎, 抗PD-1抗体

受付日:2018年6月18日
受理日:2018年11月8日

肺癌 59 (1):53─59,2019

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