タイトル
第59巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

ペムブロリズマブによる片側性ぶどう膜炎をきたした非小細胞肺癌の1例

北台 留衣1, 川合 祥子1, 木村 莉菓1, 弥勒寺 紀栄1, 細見 幸生1
1がん・感染症センター都立駒込病院呼吸器内科

背景.ペムブロリズマブはprogrammed cell death-1 ligand-1(PD-L1)陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌に対して適応を有している.有害反応として自己免疫の賦活化に伴う免疫関連有害事象が知られており,その1つとして,頻度は少ないがぶどう膜炎が報告されている.症例.52歳,非喫煙の女性.肺腺癌に対して1次治療としてペムブロリズマブ投与を開始したが,開始9日目に左眼の疼痛と眼球結膜充血を認めた.片側性であったことから細菌性結膜炎を疑い,レボフロキサシン点眼を開始したが症状は改善しなかった.眼科での精査と臨床経過から,最終的にペムブロリズマブによるぶどう膜炎と診断した.ステロイド点眼を開始したところ,速やかに改善した.結論.免疫チェックポイント阻害薬投与中に眼症状が出現した場合は,片側性であっても免疫関連有害事象によるぶどう膜炎の可能性を念頭に置く必要がある.
索引用語:ペムブロリズマブ, ぶどう膜炎, 片側性, 非小細胞肺癌, 抗PD-1抗体

受付日:2019年1月24日
受理日:2019年3月20日

肺癌 59 (3):265─269,2019

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