タイトル
第59巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

化学療法が奏効し完全切除が可能であった縦隔原発胚細胞腫瘍の1例

土田 浩之1, 棚橋 雅幸1, 雪上 晴弘1, 鈴木 恵理子1, 吉井 直子1, 丹羽 宏1
1聖隷三方原病院呼吸器センター外科

背景.縦隔原発胚細胞腫瘍は非常に稀な疾患であり,その治療として化学療法施行後に腫瘍マーカーが正常化した場合は,残存腫瘍に対する手術が推奨される.症例.症例は49歳男性で,胸部CTで前縦隔に腫瘤を認め,CEA,CYFRA,hCGの上昇を認めた.CTガイド下生検で,縦隔原発混合性胚細胞腫瘍と診断した.BEP療法を4コース施行し,全ての腫瘍マーカーが正常化したため残存腫瘍に対し手術を施行した.完全切除が得られたが,viable cellの残存を認めたため,追加で救済化学療法を施行した.現在,術後4か月,無再発で経過中である.結論.今回我々は,化学療法後に手術を施行し,完全切除が可能であった縦隔原発胚細胞腫瘍の1症例を経験した.
索引用語:縦隔原発胚細胞腫瘍, Non-seminoma, BEP, Viable cell, 完全切除

受付日:2018年11月1日
受理日:2019年4月3日

肺癌 59 (3):276─281,2019

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