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第59巻第5号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

気管支鏡検査の新時代:Precision medicine時代における肺癌気管支鏡診断

丹羽 崇1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科

分子標的治療薬,免疫チェックポイント阻害薬の登場は肺癌薬物療法を大きく変えた.より速やかに診断し適切な薬物療法を提供することは,進行肺癌患者を中心に大きく予後を左右するものであり,治療薬物の選択に際し病理検査に供する組織は,質・量ともに以前より良好なものを求められる.気管支鏡検査は肺内腫瘤病変の診断において大きな威力を発揮するものであり,大きく進歩してきた.しかし,precision medicineの発展とともに,採取検体の適格性について再考を要する時期にあると考える.本稿では,EBUSを用いた気管支鏡検査手法の進歩についてと,肺癌の組織診断精度向上が期待されるクライオバイオプシーについて概説し,次世代シークエンサーの利用も想定した高精度かつ適切な気管支鏡検査検体採取の重要性について述べる.
索引用語:EBUS-TBNA, EBUS-GS, クライオバイオプシー, 次世代シークエンサー, 肺癌

肺癌 59 (5):453─457,2019

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