タイトル
第59巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

間質性肺炎合併肺がんの発症機構

本多 隆行1,2, 宮崎 泰成2, 河野 隆志1
1国立がん研究センター研究所ゲノム生物学研究分野, 2東京医科歯科大学呼吸器内科

間質性肺炎(Interstitial pneumonia;IP),特に特発性肺線維症(IPF)は,肺発がんにおいて喫煙と並ぶ独立したリスク因子として知られ,IP患者における肺がん検出率は健常人のそれより有意に高い.喫煙が及ぼす肺発がんへの影響は変異原性や標的遺伝子など分子レベルで明らかにされている.しかしながら,IPが及ぼす肺発がんのメカニズムについては,不明な点が多い.本総説では,IP合併肺がんにおける肺発がんの分子生物学的な知見についてこれまでの研究について概説する.また,我々の最近の研究成果として,IP合併肺がんの網羅的な遺伝子解析から本疾患に特徴的な発がん機構を示す遺伝子プロファイルを抽出したので合わせて報告する.
索引用語:間質性肺炎, 肺発がん, がんゲノム解析, 肺サーファクタント遺伝子

肺癌 59 (7):1134─1139,2019

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