タイトル
第60巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

CT長径2.0 cm以下の肺結節における良悪性診断を困難とする画像所見の検討

杉原 潤1,4, 竹山 裕亮1, 鴨志田 達彦1, 大川 宙太1, 川口 陽史1, 八木 太門1, 花田 仁子1, 瀧 玲子1, 小島 勝雄2, 櫻井 うらら3
1武蔵野赤十字病院呼吸器科, 2唐津赤十字病院外科, 3武蔵野赤十字病院病理診断科, 4柏市立病院呼吸器内科

目的.CTで指摘される小型肺結節において,切除不要な病変を手術するリスクが一定の割合で存在する.そこに至る理由を考察することは適切な治療を提供する上で意義がある.方法.2010年4月から2016年10月までに当院で外科的に切除された肺の結節性病変のうち,CTで最大径2.0 cm以下であった病変を対象とし,画像所見や術前検査と病理診断の関係を後方視的に検討した.結果.237名の患者より得られた270の病変が対象となった.内に凸で多角形の結節は悪性病変と良性病変とを同程度に含み,また臨床診断と病理診断が一致しない17症例中8症例を占め,特に診断困難な群と考えられた.結論.CT径2.0 cm以下の肺結節において,内に凸の多角形の形状を示す病変は特に良悪性の鑑別が困難であり,慎重な評価が必要である.
索引用語:肺結節, 早期診断, 小型肺癌, 高分解能CT, 画像診断

受付日:2019年2月14日
受理日:2019年11月13日

肺癌 60 (1):17─26,2020

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