タイトル
第60巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺原発ホジキンリンパ腫の1切除例

内匠 陽平1, 辛島 高志1, 安部 美幸1, 宮脇 美千代1, 駄阿 勉2, 杉尾 賢二1
大分大学 1呼吸器・乳腺外科, 2病理診療科

背景.肺原発ホジキンリンパ腫は稀な腫瘍であり,術前診断に至ることは困難である.症例.39歳女性.虫垂炎の術前検査で異常を指摘され,CTで心膜に接する5 cm大の腫瘤性病変を指摘された.気管支鏡下生検が施行され,組織型不明の悪性腫瘍の診断で当科紹介となった.原発性肺癌疑いで診断と治療目的に左上葉切除が施行された.病理標本では,散在する単核のHodgkin細胞および多核のReed-Sternberg細胞を認め,免疫染色でこれらの巨細胞はCD15(+),CD30(+)であった.Classic Hodgkin lymphoma,nodular sclerosis typeと診断された.肺以外に病変を認めず,肺原発ホジキンリンパ腫と診断した.結語.肺原発ホジキンリンパ腫の術前診断は困難であり,適切な治療のためにも,確実かつ正確な組織診が極めて重要である.
索引用語:肺原発ホジキンリンパ腫

受付日:2019年7月3日
受理日:2019年11月5日

肺癌 60 (1):43─47,2020

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