タイトル
第60巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

アミラーゼ産生を伴う肺腺癌の1例

谷 望未1, 吉村 彰紘1, 張田 幸1, 福井 基隆1, 山田 忠明1, 髙山 浩一1
1京都府立医科大学附属病院呼吸器内科

背景.アミラーゼ(amylase:AMY)産生肺癌は治療抵抗性を示し,また,血清・尿中アミラーゼ値が病勢を反映し,治療効果の指標となることが報告されている.症例.60代男性.血痰と胸部異常陰影を主訴にX年8月に近医を受診した.精査の結果,骨転移を伴う右上葉原発肺腺癌と診断した.血清および尿中アミラーゼ値の上昇,病理検体でanti-human α-amylase染色陽性を確認したため,アミラーゼ産生肺腺癌と診断した.診断後,シスプラチン,ペメトレキセド併用化学療法を開始し,腫瘍縮小を認めた.また,治療経過に一致して血清および尿中アミラーゼ値は減少した.結論.血清・尿中アミラーゼ値が全身化学療法の治療効果のバイオマーカーとして有用であったアミラーゼ産生肺腺癌を経験したため報告する.
索引用語:アミラーゼ産生肺腺癌, バイオマーカー, 血清アミラーゼ値, 尿中アミラーゼ値, ペメトレキセド

受付日:2019年7月1日
受理日:2019年11月7日

肺癌 60 (1):48─53,2020

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