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第60巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
右大動脈弓を伴った左上葉肺多形癌に集学的治療を行い長期生存している1例
井上 尚1, 荒木 修1, 苅部 陽子1, 前田 寿美子1, 中里 宜正2, 千田 雅之1獨協医科大学 1呼吸器外科, 2病理診断部
背景．右大動脈弓は0.1％の発生頻度とされる稀な疾患である．我々は右大動脈弓合併肺多形癌に対し集学的治療を行い，長期間非担癌生存した1例を経験したので報告する．症例．57歳男性．検診で胸部異常陰影を認め，気管支鏡検査で腺癌と診断した．X年11月左上葉切除＋縦隔肺門リンパ節郭清術を施行した．病理診断は多形癌，pT2aN2M0 Stage IIIAであり，術後補助化学療法を施行した．X＋1年10月，対側縦隔リンパ節転移に対し右縦隔リンパ節郭清術を施行し，術後縦隔に対し放射線治療を加えた．X＋2年6月右副腎転移を認め右副腎摘出術を施行し，化学療法を4コース施行した．以降明らかな再発を認めず，初回術後9年以上非担癌生存中である．結論．右大動脈弓合併肺多形癌に積極的な局所治療を含む集学的治療を行い，長期生存した1例を経験した．
索引用語：右側大動脈弓, 肺多形癌, 集学的治療, 再発
受付日：2019年10月4日
受理日：2019年12月2日
肺癌 60 (2)：104─108，2020
