第60巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
短期間での増大と索状陰影を伴ったpulmonary nodular lymphoid hyperplasia
砂川 大輝1, 三島 修1, 三澤 賢治1, 小野 靖2, 高田 宗武3, 牛山 俊樹4相澤病院 1外科センター, 2化学療法科, 3呼吸器内科, 4健康センター
背景.Nodular lymphoid hyperplasia(NLH)は反応性肺リンパ増殖性疾患に分類される稀な良性結節であり,様々な画像所見を示すため肺癌との鑑別が困難である.今回,画像所見で悪性を疑ったNLHを経験したので報告する.症例.61歳男性.検診の胸部CTで結節影を指摘された.10ヶ月後の再検査で体積が約2倍に増大し,胸膜方向への索状陰影の出現を認めた.悪性腫瘍を疑い,外科的生検でNLHと診断した.結論.NLHは稀な良性結節だが,画像所見が多岐にわたり一定の特徴がないため,肺癌との鑑別が困難である.本症例は悪性腫瘍を疑うような短期間での増大傾向および索状陰影を伴う結節影を認めた.NLHが呈する画像所見の1例として重要であり,今後の症例の蓄積が期待される.
索引用語:Pulmonary nodular lymphoid hyperplasia, 肺癌, 腫瘍倍化時間, PET-CT, 索状陰影
受付日:2019年10月13日
受理日:2020年2月17日
肺癌 60 (3):169─173,2020