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第60巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
導入化学療法後に肉眼的完全切除を得たIVa期胸腺腫の1例
馬場 峻一1, 石橋 洋則1, 今井 紗智子1, 小林 正嗣1, 明石 巧2, 大久保 憲一1東京医科歯科大学医学部附属病院 1呼吸器外科, 2病理部
背景．胸膜播種を伴う浸潤型胸腺腫に対する治療法は，いまだ確立されていない．症例．症例は67歳女性．CTで左腕頭静脈浸潤・胸膜播種を伴う前縦隔腫瘍を指摘された．CTガイド下生検で正岡IVa期の胸腺腫と診断し，Cisplatin，Doxorubicin，Methylprednisolone（CAMP療法）による導入化学療法を行った．CAMP療法4コース施行後，原発巣は著明に縮小し，胸膜播種巣もほぼ消失したため，残存腫瘍に対し手術を施行した．手術は胸腔鏡併用胸骨正中切開で行い，原発巣については左腕頭静脈および心膜を合併切除した．遺残していた胸膜播種巣も摘除し，肉眼的完全切除を得た．術後17か月現在，無再発生存中である．結論．導入化学療法後に肉眼的完全切除し得たIVa期胸腺腫の1症例を経験した．
索引用語：縦隔腫瘍, IVa期胸腺腫, 胸膜播種, 導入化学療法, 完全切除
受付日：2019年12月24日
受理日：2020年3月9日
肺癌 60 (3)：181─186，2020
