タイトル
第60巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

薄壁空洞形成の増大過程を4年間経過観察した原発性肺癌の1例

蜂須賀 康己1, 藤岡 真治1, 魚本 昌志1
1一般財団法人永頼会松山市民病院呼吸器外科

背景.薄壁空洞形成を伴う原発性肺癌の報告は散見されるが,長期間にわたって空洞形成の過程を追えた症例は稀である.症例.症例は60歳代前半の男性.201X年に右急性膿胸の診断で当科へ入院した.初診時のCTで左下葉に径8 mmの小嚢胞を伴う,すりガラス状結節が指摘され,膿胸加療後もCTで経過観察した.4年間の観察で,同結節は薄壁空洞を形成しながら22 mmまで増大した.201X+4年,気管支内視鏡下の細胞診で悪性と診断し,左下葉切除術を施行した.病理組織診断結果は原発性肺腺癌であった.結論.長期経過観察によってCT上の薄壁空洞形成の増大過程を追跡し得た,原発性肺癌を経験した.
索引用語:原発性肺癌, 薄壁空洞, 長期経過観察

受付日:2020年2月25日
受理日:2020年4月30日

肺癌 60 (4):348─352,2020

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