タイトル
第60巻第4号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

猶木 克彦
北里大学医学部呼吸器内科学

COVID-19流行下の初めての夏を皆様はどのように過ごされたでしょうか.「新たな日常」へ対応しながら,肺癌診療を前進させるために尽力されていることと存じます.本号ではそのような皆様に参考にして頂きたい論文として「COVID-19パンデミックにおける肺癌診療」エキスパートオピニオンをはじめ,review論文3報,研究論文2報,症例報告7報が掲載されています.肺癌学会の関連委員会メンバーがCOVID-19と癌診療に関する国内外の論文を検討され,診療ガイドラインを背景にまとめられたステートメントは,是非,日常診療に生かして頂きたいと思います.COVID-19流行下においても肺癌診療の進歩のため,関根先生の「臨床研究の進め方」,副島先生の国内外における「トランスレーショナルリサーチの展望と課題」のreviewを参考に,今後の研究の方向性を考えることが重要です.佐治先生には高齢化社会を背景とした「外科治療の現状と方向性」を解説して頂きました.研究論文には「肺癌と就労」に関する2報が並んでおり,就業支援を考えさせられます.症例報告では癌遺伝子異常や免疫チェックポイント阻害薬関連の報告とともに,画像所見やホルモン産生腫瘍に関する報告もあり,各先生方の渾身の論文となっておりますので,是非,ご一読ください.査読を担当して頂いた多くの先生方に深謝いたします.これらの論文を参考に,感染症への対応を十分に行いながら,どのような状況でも肺癌診療および肺癌研究を進歩させるという気概を,「肺癌」を読まれた多くの方々と共有していきたいと思っています.

肺癌 60 (4):371─371,2020

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