タイトル
第60巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

肺癌薬剤療法の効果判定の注意点

藪内 英剛1, 神谷 武志2, 鷺山 幸二2, 山崎 誘三2, 樋田 知之2, 松浦 由布子2, 石神 康生2
九州大学大学院医学研究院 1保健学部門, 2臨床放射線科学

肺癌の薬剤療法では個別化医療が進んでおり,遺伝子解析により薬剤の選択は細分化しているが,効果判定において画像診断は重要な役割を果たしている.Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)v1.1は,簡便で客観性の高い判定方法として,一般臨床では特に進行(progressive disease:PD)の判断根拠として,臨床試験では第三者による客観的評価として広く用いられているが,主にCTやMRIによる腫瘍の最大径のみで判定されるため,様々な欠点を含んでいる.個別化医療の時代ではRECIST v1.1による効果判定の限界も明らかになってきており,機能画像による効果判定や予後予測の研究が進んでいる.本稿では,RECIST v1.1に基づいた効果判定の注意点や問題点,近年の機能画像による効果判定の知見,免疫チェックポイント阻害薬の効果判定の留意点を概説する.
索引用語:RECIST, Functional imaging, Immunotherapy, Beyond progression, Pseudoprogression

肺癌 60 (7):942─950,2020

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