タイトル
第60巻第7号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

中山 富雄
国立がん研究センター 社会と健康研究センター検診研究部

世界を襲ったCovid-19の影響で,新しい生活様式を強いられています.さまざまな学会もハイブリッド型で行われていますが,オンライン参加登録を含めると,例年よりも参加者数は増えているようです.職場を抜けて学会に参加するのが難しい方でさえ,オンラインで研鑽する機会を活用されているようです.医療者の勤勉さには頭が下がる思いです.さて,本学会の学会誌『肺癌』は常にオンラインで閲覧が可能です.移動が制限されている今こそ会員の皆さんに広くご覧になっていただきたい.さて60巻7号では,委員会報告として肺癌検診の手引きの改定が挙げられています.2018年には検診の見落とし事件がいくつも報道されました.検診の読影医に対する信頼性確保のため,症例検討会への年1回の参加が義務付けられることになりました.会員の皆様も受講者あるいは指導者の立場での参加が求められますのでご協力ください.また「進行肺がん治療における『早期からの緩和ケアの意義』」が報告されています.緩和ケアが進行肺癌の予後を延長するという2010年の米国からの報告後のエビデンス,肺がん患者への緩和ケアのあり方をまとめたもので,大変意義深いものです.さらに「肺癌薬剤療法の効果判定の注意点」では,RECIST1.1による効果判定の問題がわかりやすくまとめられています.日常の薬剤療法の効果評価のためにぜひ一読をお勧めします.こんなときだからこそ会員の皆さんには,ぜひ勉強していただきたいと思います.2021年が2020年よりもよい1年であることをお祈りいたします.

肺癌 60 (7):1034─1034,2020

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