タイトル
第61巻第1号目次 In Japanese

─ 巻頭言 ─

大江 裕一郎
学会誌「肺癌」編集委員長 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科 科長・副院長

日本でコロナ感染が拡大してから1年以上が経過しましたが,未だに収束の見込みが立たない状況が続いています.2021年1月には東京都などに2回目の緊急事態宣言が発出され,新規患者数は減少傾向にあるものの,重症患者数,死亡数などは依然として高いままであり,コロナ対応に奔走されている先生も少なくないとお察しいたします. 昨年は,コロナ禍の影響でASCO,ESMO,WCLCなどの国際学会が完全webでの開催となりました.そのような状況下で第61回日本肺癌学会学術集会がハイブリッド形式で成功裏に開催されたことは大変喜ばしく,ご尽力された木浦勝行会長に敬意を表したいと思います.これまで学術集会時に行われていた優秀論文賞の表彰はできませんでしたが,コロナの感染状況からするとやむを得ない判断であったと思います. 学会誌「肺癌」は,昭和35年(1960年)に日本肺癌学会の前身である第1回肺癌研究会総会時に第1巻総会号が発刊されたことに始まり,2013年第53巻からは完全web化され印刷媒体は学術集会号のみとなっています.2020年第60巻からは,それまで発刊後2年までは日本肺癌学会の会員のみに限定されていたダウンロードが,過去の論文を含め誰でもダウンロードできるオープンアクセスに変更になりました.それに伴い日本からの総ダウンロード数が月に1-2万件になったこと以外に,海外からのダウンロード数も多い月には1万件を超えるようになりました.インパクトファクターの取得やPubMedでの検索を可能にすることは難しい状況ではありますが,Googleでの検索が可能で海外からのダウンロードに繋がっているものと考えます.今後は英文の投稿規定を作成して,海外からの英語論文の投稿をより積極的に受け付けることを検討しています. 今後も雑誌「肺癌」をさらに発展させていきたいと考えていますが,その為には会員の皆さまからの質の高い論文の投稿が必要不可欠です.「肺癌」をより良い学術雑誌に発展させていければと考えておりますので,会員の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます.

肺癌 61 (1):1─1,2021

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