 |
第61巻第2号目次 | Japanese/English |
 | Full Text of PDF (2591K) Article in Japanese |
─ 症例 ─
化学放射線治療にて長期生存を得た原発不明縦隔リンパ節癌の4例
大西 涼子1, 加藤 達雄1, 浅野 幸市1, 魲 稔隆1, 松野 祥彦1, 安田 成雄1, 原 明21国立病院機構長良医療センター呼吸器内科, 2岐阜大学医学部腫瘍病理学
背景．原発不明縦隔リンパ節癌の切除不能例の標準的な治療法は確立されていない．症例1．59歳男性．#4Rリンパ節腫大を認め，超音波気管支鏡ガイド下生検（endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration：EBUS-TBNA）で，腺癌を認めた．化学放射線療法が奏効したが，10年後右下葉に扁平上皮癌が出現した．症例2．70歳男性．#4Lリンパ節腫大を指摘され，縦隔鏡で腺扁平上皮癌を認めた．化学放射線療法が奏効したが，7年目に左下葉に扁平上皮癌が出現した．症例3．71歳男性．気腫合併肺線維症の経過中#4Rリンパ節腫大があり，EBUS-TBNAで腺癌と診断し，化学放射線療法を実施，10年間無再発生存中である．症例4．64歳男性．#7リンパ節腫大を認め，EBUS-TBNAにて扁平上皮癌と診断した．化学放射線療法実施，5年間無再発生存中である．結論．原発不明縦隔リンパ節癌の切除不能例に対して，PTX＋CBDCAによる化学放射線療法は有望な治療法である．
索引用語：縦隔リンパ節癌, 原発不明癌, 化学放射線療法, 肺癌
受付日：2020年4月10日
受理日：2020年12月14日
肺癌 61 (2)：119─124，2021
