タイトル
第61巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

興味ある画像所見を呈した肺嚢胞壁近傍発生肺癌の1例

蜂須賀 康己1, 藤岡 真治1, 魚本 昌志1
1一般財団法人永頼会松山市民病院呼吸器外科

背景.気腫性肺嚢胞は肺癌発生のrisk factorとされている.症例.症例は40歳代の男性.20歳代の時,右自然気胸に対する胸腔鏡下手術の既往があったが,術後も喫煙を続けていた.健診の胸部X線写真で異常影を指摘され,当科紹介となった.CTで右胸腔内に9.0×5.0×10.0 cmの気腫性嚢胞を認め,嚢胞壁の一部に2.4 cmの充実性結節が指摘された.嚢胞壁近傍に発生した肺癌を疑ったが,胸腔内異物や胸壁腫瘍も否定できなかったため,CTガイド下針生検を行ったところ,生検直後に気胸を生じ,病理組織検査で腺癌の診断を得た.気腫性嚢胞壁近傍に発生した原発性肺癌と診断し,右上葉切除術を施行した.術後経過は良好であった.結論.興味ある画像所見を呈した肺嚢胞壁近傍発生の原発性肺癌を経験した.
索引用語:原発性肺癌, 気腫性肺嚢胞, 画像診断

受付日:2020年9月30日
受理日:2021年1月9日

肺癌 61 (2):138─142,2021

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