タイトル
第61巻第2号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

各務 博
埼玉医科大学国際医療センター呼吸器内科

COVID-19ワクチン接種が始まり,摂取率が上昇した国では感染率低下などの効果が得られるようになりました.2019年末に始まったパンデミックに対してわずか1年あまりで全世界的接種にまでこぎ着けた人類の英知には脱帽するばかりです.ワクチン開発に関わった全ての人々,ワクチン接種準備を進めている全ての人たちに心より感謝を申し上げます.さて,肺癌治療においても多くの人たちの努力によってパラダイムシフトが生じつつあります.分子標的治療薬による肺癌分子メカニズムの知識,免疫チェックポイント阻害薬治療による腫瘍免疫の知識は,このパラダイムシフトの原動力となっています.本号では,診断と治療に関わる進歩について,committee report,invited review articlesを頂きました.小林先生からは肺癌検診読影演習システムの利用法・利用状況について報告されています.松原先生からは,病理診断で良く用いられているTTF-1などの生物学的意義について解説を頂いています.普段TTF-1陽性なら肺原発の腺癌であると考えていますが,そのメカニズムを知る良い機会であると思います.駄賀先生には,選択肢が増えてきた免疫チェックポイント阻害薬併用療法の考え方についてまとめて頂きました.また,分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬により肺癌でも経験することが増えてきたoligometastatic diseaseについてreview articleが掲載されています.さらに,original article 1,case report 6,short report 1のご発表を頂きました.本誌にご投稿頂いた先生方,査読をご担当頂いた先生方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます.

肺癌 61 (2):161─161,2021

ページの先頭へ