タイトル
第61巻第3号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (1292K)
Article in Japanese

─ 症例 ─

術後胸腔内再発に対して放射線治療・逐次化学療法により長期無増悪生存が得られた胸腺癌の1例

高野 峻一1,2, 板井 美紀1, 梅津 和恵1, 豊田 正昂2, 原 健太郎2, 小林 頂2, 申 悠樹2, 相川 政紀2, 中川 純一1, 茂木 充1
1公立藤岡総合病院呼吸器内科, 2群馬大学医学部附属病院呼吸器アレルギー内科

背景.胸腺癌は化学療法や放射線治療による治療効果が報告されているが,エビデンスは乏しい.今回我々は術後胸腔内再発に対し,放射線治療・逐次化学療法により長期無増悪生存が得られた症例を経験したので報告する.症例.55歳男性.胸腺癌に対して拡大胸腺摘出術+リンパ節生検を施行した.術後6か月で右前胸部に再発を認めた.放射線治療を施行し,カルボプラチン・パクリタキセルによる化学療法を4コース施行し,完全寛解を得た.逐次放射線化学療法を施行後60か月再発はない.結語.本症例は,胸腺癌の再発症例に対して逐次放射線化学療法により5年無増悪生存が得られている貴重な症例と考えられた.
索引用語:胸腺癌, 術後再発, 放射線治療, 化学療法

受付日:2020年12月9日
受理日:2021年1月24日

肺癌 61 (3):184─188,2021

ページの先頭へ