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第61巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
扁平上皮癌，腺癌の各成分を均等に含んだ混合型小細胞癌切除例の1例
島貫 結衣1, 磯部 和順1, 鏑木 教平1, 伊豫田 明2, 栃木 直文3, 本間 栄4, 岸 一馬1東邦大学医学部 1内科学講座呼吸器内科学分野（大森）, 2外科学講座呼吸器外科学分野（大森）, 3病院病理学講座（大森）, 4びまん性肺疾患研究先端統合講座
背景．混合型小細胞癌は，腺癌や扁平上皮癌などの非小細胞癌成分を含む小細胞癌である．症例．61歳，男性．慢性B型肝炎および肝細胞癌で当院消化器内科に通院中であった．定期検査の胸腹部CTにて右下葉に結節を指摘され，当科に紹介となった．採血上はCEAの軽度上昇を認め，診断目的に気管支鏡検査を施行したところ悪性所見は得られなかったが，辺縁不整な結節の緩徐な増大から肺癌が疑われ，術中肺癌の確定診断後に胸腔鏡下右肺下葉切除兼縦隔肺門リンパ節郭清術を施行した．切除検体では小細胞癌細胞，腺癌細胞，扁平上皮癌細胞が均等に混在し合っている所見が認められた．結語．混合型小細胞癌のほとんどは1成分の非小細胞癌の混合であるが，本症例は小細胞癌と腺癌，扁平上皮癌が均等に含まれた極めて稀な症例であった．
索引用語：原発性肺癌, 混合型小細胞癌, 腺癌, 扁平上皮癌
受付日：2020年12月9日
受理日：2021年3月11日
肺癌 61 (3)：225─229，2021
