タイトル
第61巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

総腫瘍径の大きいPD-L1高発現の非小細胞肺癌に対するペムブロリズマブとプラチナ製剤併用療法による無増悪生存期間の延長効果

福代 有希1, 高山 裕介1, 角本 慎治1, 隅井 允彦1, 三島 祥平1, 益田 健1, 庄田 浩康1, 岩本 康男2
広島市立広島市民病院 1呼吸器内科, 2腫瘍内科

背景・目的.PD-L1高発現(TPS ≧50%)の進行期非小細胞肺癌(NSCLC)に対する一次治療として,ペムブロリズマブ単剤療法とPD-1/PD-L1阻害剤+プラチナ製剤併用療法が推奨されている.当院での使用経験をもとに,単剤療法と併用療法の実臨床における有効性と安全性を比較検討する.対象・方法.2017年3月から2020年9月までに当院においてPD-L1高発現のNSCLCに対し,初回治療でペムブロリズマブ単剤療法が行われた34例(単剤群)とペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用療法が行われた21例(併用群)について,後方視的に検討した.結果.無増悪生存期間中央値は単剤群:併用群で7.7ヵ月:9.2ヵ月であり,両群で差を認めなかったが,併用群では奏効率が高く,PD症例が少ない傾向であった.また,総腫瘍径が大きい症例では併用群のほうが奏効率および病勢制御率が高く,無増悪生存期間が延長する傾向であった.結論.PD-L1高発現のNSCLCに対して,総腫瘍径が大きい症例では,ペムブロリズマブ単剤療法よりもペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用療法で高い治療効果が期待できる可能性がある.
索引用語:ペムブロリズマブ, 非小細胞肺癌, PD-L1高発現, 免疫チェックポイント阻害薬, 総腫瘍径

受付日:2021年3月4日
受理日:2021年4月8日

肺癌 61 (4):289─296,2021

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