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第61巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
長期間無再発を維持するも7年後に左副腎転移を来した進展型肺小細胞癌の1例
乾 佑輔1, 茨木 敬博1, 岡田 あすか1, 綿部 裕馬1, 小山 勝正1, 古山 達大1, 上田 将秀1, 美藤 文貴1, 竹中 英昭1, 長 澄人11済生会吹田病院呼吸器内科
背景．進展型肺小細胞癌は初回治療への奏効率が高い一方で，大部分で短期間の再発，増悪を来す．症例．68歳，男性．検診で右上肺野の腫瘤を指摘され，紹介受診した．精査の結果，右上葉肺小細胞癌cT3N2M1b stage IVB（TNM分類第7版）と診断した．CDDP＋CPT-11による化学療法を開始し，2コース後に左小脳転移は消失し，4コース後に胸腹部の病変は消失した．最終投与から約1ヶ月後に行った頭部MRI検査で左小脳に再発を認め，全脳照射を行った．以後，長期間にわたって無再発を維持していたが，7年後のCT検査で左副腎結節を認めた．長期間の無再発症例であり，肺小細胞癌の再発としては非典型的と考えられたが，診断的治療目的に腹腔鏡下左副腎摘除術を行い，肺小細胞癌の転移と診断した．結論．進展型肺小細胞癌は長期間の無再発後，遠隔転移再発を来すことがある．長期間の無再発後も注意深い観察が必要である．
索引用語：進展型肺小細胞癌, 長期間の無再発, 晩期再発
受付日：2021年3月18日
受理日：2021年4月30日
肺癌 61 (4)：347─352，2021
