第61巻第5号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
肺癌診療アップデート:進展型小細胞肺癌
津端 由佳里11島根大学医学部附属病院呼吸器・化学療法内科
進展型小細胞肺癌に対する治療の中心は化学療法である.しかしながら,この30年,顕著な生存期間の延長は認められず,この期間に発表された臨床試験結果のレビューでは生存期間延長の効果は乏しいことが示されている.2018年に,カルボプラチン+エトポシド併用療法に抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブを上乗せすることで生存期間の延長が示され,標準治療の1つとなり,現在は抗PD-L1阻害薬としてデュルバルマブも使用が可能となっている.本稿では,進展型小細胞肺癌の治療の変遷に触れつつ,最新の治療レジメンおよびマネジメントに必要な支持療法,さらには治療選択の考え方について述べたい.
索引用語:進展型小細胞肺癌, 免疫チェックポイント阻害剤併用化学療法
肺癌 61 (5):371─376,2021