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第61巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

肺癌生検技術の進歩と検体採取方法の工夫

古瀬 秀明1, 松元 祐司1,2
国立がん研究センター中央病院 1内視鏡科(呼吸器), 2呼吸器内科

気管支・肺病変に対する気管支鏡による診断・検体採取は,他の生検手技と比べて侵襲や合併症が少ないことから,第一選択となることが多い.気管支鏡による生検は,気道病変に対する直視下生検,超音波気管支鏡ガイド下吸引針生検(EBUS-TBNA),末梢肺病変に対する経気管支生検に分けられ,それぞれ異なった特徴を有している.さらに最近ではクライオ生検を導入する施設が増えており,肺癌における有用性も多く報告されている.近年の肺癌診療では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の進歩により,腫瘍遺伝子の解析や腫瘍免疫応答の評価を必要とする症例が多くなり,大型で良質な検体を採取する能力が求められるようになった.本稿では,これまでの気管支鏡による肺癌の生検技術の進歩から,実臨床に役立つ検体採取時の工夫について概説する.
索引用語:気管支鏡, 超音波気管支鏡ガイド下吸引針生検, クライオ生検, 次世代シーケンサー, 再生検

肺癌 61 (7):924─931,2021

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