タイトル
第61巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

オンコマイン™ Dx Target Testの検査成功に関連する因子の探索

榊原 里江1, 本多 隆行1, 三ツ村 隆弘1, 桐村 進2, 大久保 憲一3, 宮崎 泰成1
東京医科歯科大学 1呼吸器内科, 2診断病理学, 3呼吸器外科

目的.オンコマイン™ Dx Target Test(ODxTT)の検査成功率は不安定なため,ODxTT成功に寄与する因子の同定を目的とした.方法.2018年6月~2020年12月に診断した非小細胞肺癌のうちODxTTを用いてBRAF遺伝子変異を解析した51例,マルチプレックス解析した生検検体19例を対象に,臨床病理学的因子と検査成功の関連を検討した.結果.検査成功率は手術検体・外科的生検100%,TBB 75%,EBUS-TBNA 78%,CTGB 57%で,生検検体の核酸量は成功群で不成功群に比して有意に多かった(BRAF解析:DNA中央値279 vs 18 ng,p<0.01,マルチ解析:DNA中央値198 vs 45.6 ng,p<0.01,RNA中央値180 vs 34.2 ng,p<0.01).TBBの生検回数は成功群で多く(中央値6.5回 vs 4回,p<0.01),マルチプレックス解析の腫瘍含有率は成功群で高かった(中央値50% vs 30%,p=0.01).結論.生検検体の核酸量はODxTT成功に関連し,病理学的には腫瘍含有率が,手技的にはTBBの生検回数の多さが,成功に関連する可能性がある.
索引用語:次世代シーケンシング(NGS), オンコマイン™ Dx Target Test, 生検検体, 核酸量, 腫瘍含有率

受付日:2021年1月3日
受理日:2021年7月26日

肺癌 61 (7):932─938,2021

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