タイトル
第62巻第1号目次 In Japanese

─ 巻頭言 ─

土田 正則
学会誌「肺癌」副編集委員長 新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸循環外科学分野

早いもので令和も4年目を迎えました.平成の終わりに次の元号について有識者の予想をもとにマスコミで騒いでいたのが昨日のことのようで,月日のたつのが早いことを実感しています.年齢を重ねると早く時間が過ぎるのは,日常の感動が少なくなっていることが影響していると,NHKの某人気番組(MCが5才のチコちゃん)で解説していました.皆様は刺激的でときめきと感動のある日常をお過ごしでしょうか?私自身は,診療以外に医学部の学生教育,病院や学会関係の会議などで刺激はもらっていますが,ときめく場面は少ない日常です.論文が出来上がった際の達成感,さらに雑誌に受理された際の高揚感など,若い時に感じた感動のアンテナが鈍っているせいでしょうか.さて,私自身いくつかの雑誌の編集に携わっていますが,新型コロナウイルス感染症が発生してから各雑誌で投稿数が増加するという現象が起こりました.ステイホームで論文執筆に向き合う時間が増えたためかと想像していました.例年本雑誌では総説,原著と症例報告を合わせて80編台の投稿がありますが,採択率は80%前後で,不採択率が以外に高くなっています.依頼総説が10編前後加わりますので,毎年約80編が掲載されています.2021年の第61巻での掲載数は89編と増加しましたが,昨年夏の新型コロナ感染症の第5波以降,投稿数に減少が見られます.呼吸器外科関連学会誌でも同様な傾向がみられると伺っており,呼吸器疾患の診療に携わる本学会会員の皆様の診療への負荷が増しているせいかもしれません.一時的な傾向かも知れませんが,大江編集委員長からは,このような現状に対応する必要があると提案があり,肺癌学会支部学術集会における発表の中から優秀演題を推薦して投稿を勧めて頂くことを検討しているところです.日常診療から課題を見つけ,同じような症例や治療方針で悩んでいる会員の参考になる論文の投稿をお待ちしています.

肺癌 62 (1):1─1,2022

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