第62巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
肺癌バイオマーカー検査の変遷と今後の展開
畑中 豊1,2, 木下 一郎3,4, 秋田 弘俊4北海道大学病院 1ゲノム・コンパニオン診断研究部門, 2先端診断技術開発センター, 3がん遺伝子診断部, 4腫瘍内科
肺癌におけるドライバー変異を対象としたバイオマーカー検査は,EGFR,ALK,ROS1,BRAF,METに,2021年にRETが新たに加わり,現在本邦では6遺伝子がコンパニオン診断(CDx)項目となっている.またがん免疫療法のバイオマーカー検査としてPD-L1 IHC検査が,2016年よりCDxとして実施されるようになった.本稿では,これらバイオマーカー検査の臨床導入の経緯やその際に直面した諸課題について総括するとともに,マルチプレックスアッセイやリキッドバイオプシーなどの新規検査技術のさらなる普及が見込まれている肺癌CDxの今後の展開について概説する.
索引用語:肺癌, 分子標的治療, がん免疫療法, コンパニオン診断法
肺癌 62 (1):15─25,2022