タイトル
第62巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

臨床現場におけるオンコマインDx Target TestマルチCDxシステムの実用性に関する後方視的検討

植松 慎矢1, 水谷 萌1, 伊藤 雅弘1, 髙橋 祥太1, 藤原 直樹1, 宮里 和佳1, 青栁 貴之1, 田戸 宏樹2, 嶋田 俊秀2, 西坂 泰夫1
大阪赤十字病院 1呼吸器内科, 2病理部

目的.近年,進行・再発非小細胞肺癌の治療において,多くのドライバー遺伝子変異とそれに対応する分子標的薬が続々と承認されている.多くの遺伝子変異を同時に検出する目的で,次世代シークエンサーを用いた遺伝子パネル検査であるオンコマインDx Target TestマルチCDxシステム(ODxTT)が承認されたが,一般市中病院の臨床現場における実用性は明らかでなく,検査成功率に関して検証した.研究方法.2020年6月から2021年3月までに当院でドライバー遺伝子変異を検索した連続症例に関して,ODxTTの提出率,解析成功率,遺伝子変異検出率を検討した.結果.全83症例のうちODxTTを提出された症例は54例(65.1%),54例のうちすべての解析が成功した症例は52例(96.3%)であった.54例のうち遺伝子変異を25例(46.3%)に検出した.結論.ODxTTは遺伝子変異検索症例の65.1%で提出可能で,提出症例では95%以上で解析が成功し,約半数に遺伝子変異を認めており,一般市中病院でも実用性のある検査である可能性が示唆された.
索引用語:非小細胞肺癌, ドライバー遺伝子変異, 遺伝子パネル検査, 次世代シークエンサー, オンコマインDx Target TestマルチCDxシステム

受付日:2021年7月13日
受理日:2021年9月18日

肺癌 62 (1):26─32,2022

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