タイトル
第62巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

薬物耐性となり積極的な局所治療を行ったOligometastatic non-small cell lung cancerの1例

藤井 祥貴1, 西田 達1, 永田 憲司2, 南 謙一3, 吉本 直樹3, 谷 恵利子3, 平島 智徳4
石切生喜病院 1呼吸器外科, 2放射線治療科, 3呼吸器内科, 4呼吸器腫瘍内科

背景.IVB期肺癌であっても転移巣が限られている場合(いわゆるOligometastatic disease),局所治療を行うことで予後の改善が得られることがある.症例.50歳代男性,小腸・左副腎転移を伴うIVB期肺癌に対し,転移巣切除と3年半に及ぶ9th lineの薬物療法を行ったが,肺原発巣のみが増大した.他に病変を認めなかったため手術による完全切除可能なOligometastatic diseaseと判断し,初回の手術を行った.術後6ヶ月で右胸壁と左鎖骨下リンパ節に再発を認めたが,病変は2ヶ所のみであったためOligometastatic diseaseの再発と診断し,右胸壁の病変に対しては2回目の外科切除,左鎖骨下リンパ節の病変に対しては放射線治療を行い,その後18ヶ月は再発を認めていない.IVB期肺癌診断時から5年半の長期生存を得ており,現在は職場復帰している.結論.IVB期肺癌であっても,Oligometastatic diseaseに対する積極的な局所治療は有効であると考える.
索引用語:肺癌, オリゴ転移, 局所治療

受付日:2021年7月28日
受理日:2021年9月28日

肺癌 62 (1):38─43,2022

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