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第62巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
免疫組織化学的に同一細胞内にTTF-1とp40の共発現像を認めた扁平上皮癌の2例
上村 亮介1, 松岡 英仁1, 加島 志郎2, 堂國 良太3, 桐生 辰徳3, 奥野 恵子3, 小谷 義一3兵庫県立淡路医療センター 1呼吸器外科, 2病理診断科, 3呼吸器内科
背景．同一腫瘍細胞内にthyroid transcription factor 1（TTF-1）とp40が共発現した非小細胞肺癌において抗TTF-1抗体のクローンを変更したことで扁平上皮癌に診断が変わった経験をしたので報告する．症例．症例1：82歳男性．左背部痛を主訴に胸部CTで左S6に41 mm大の腫瘤を認めた．非小細胞肺癌c-stage IIAと診断し左下葉切除術を施行した．術後病理検査でnon-small cell carcinoma with co-expression of TTF-1 and p40と診断した．症例2：65歳男性．呼吸困難感と嚥下障害を主訴に胸部CTで腫瘍と一塊になった気管分岐部リンパ節腫大を認め，生検でnon-small cell carcinoma with co-expression of TTF-1 and p40と診断した．しかし，後日抗TTF-1抗体のクローンを変更して再検したところ2例ともTTF-1は陰性で扁平上皮癌と診断した．結論．TTF-1は抗体のクローンにより発現が異なり，腺癌と扁平上皮癌の判別にはSPT24は用いず，8G7G3/1を利用すべきである．
索引用語：TTF-1, p40, 共発現, 扁平上皮癌
受付日：2021年4月28日
受理日：2021年11月11日
肺癌 62 (2)：97─102，2022
