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第62巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
増大傾向を認めた肺炎症性筋線維芽細胞腫の1手術例
小池 幸恵1, 宮澤 正久1, 小林 宣隆11長野赤十字病院呼吸器外科
背景．肺炎症性筋線維芽細胞腫（inflammatory myofibroblastic tumor）は炎症性細胞の浸潤を伴う紡錘形の筋線維芽細胞の増殖から構成される腫瘍で，肺悪性腫瘍との鑑別が問題となる．症例．19歳，男性．検診の胸部X線で左下肺野に異常陰影を指摘され，当院呼吸器内科紹介となった．経過観察中に増大傾向を認め，18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography（以下FDG-PET）で高集積を認めたことから肺癌の可能性が否定できず手術適応となった．手術は肺癌に準じて胸腔鏡下左下葉切除およびリンパ節郭清（ND2a-1）を行った．術後の病理組織診断は炎症性筋線維芽細胞腫であった．結論．増大傾向を認め，悪性腫瘍の可能性を疑い，手術を行った肺炎症性筋線維芽細胞腫の1例を経験した．再発，転移の報告もあり，定期的な経過観察が必要と考えられる．
索引用語：肺炎症性筋線維芽細胞腫, 増大傾向, 手術
受付日：2021年10月1日
受理日：2021年11月24日
肺癌 62 (2)：121─126，2022
