タイトル
第62巻第2号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

元井 紀子
埼玉県立がんセンター病理診断科

令和4年度を迎え,フレッシュな空気を感じる季節ですが,依然としてCOVID-19は終息せず,ウクライナ情勢が影を落とし,社会は常に変動していくものだと実感させられます.学会員の皆様には,新たな日常にも少しずつ慣れてきた頃合いでしょうか? 本号では,総説2編,症例報告6編,掲載論文への投書(Letter to the editor)とそのreplyが掲載されています.総説は進歩の著しい免疫療法と腫瘍免疫をテーマに詳細に解説していただきました.症例報告は,いずれも日常臨床での貴重な経験がまとめられており,今後の診療の参考になります.最後に,投書に対応した著者の回答と修正論文が掲載されています.編集委員の間でも慎重に協議がされ,病理診断に関する重要な指摘事項でもあり,病理編集委員のコメントを追加しています.ぜひご一読ください.本学会は,肺癌を中心にして外科,内科,放射線,病理など各分野の会員が,それぞれの立場から意見を交わすことができる領域横断的な会ですので,専門外の知識をアップデートする機会にもなります.日本語での出版はインパクトファクターがつかない,などで敬遠されがちですが,専門領域の垣根を超え,より深い議論ができるのは母国語ならではの利点の一つではないでしょうか? 論文としてまとめることで,より深く症例の意義や結果を考察することができますので,皆様の投稿をお待ちしています.日本語で学問ができる喜びを感じつつ,平安な日常になることを祈念しています.

肺癌 62 (2):171─171,2022

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