タイトル
第62巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

化学放射線療法とデュルバルマブ治療後の再発肺癌に対して,サルベージ手術を実施した1例

関村 敦1, 佐藤 圭樹2, 櫻井 孟2, 横山 敏之2, 白木 之浩3
飛騨医療センター久美愛厚生病院 1呼吸器外科, 2呼吸器内科, 3名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍病理学

背景.切除不能stage IIIA非小細胞肺癌に対する化学放射線療法とこれに続くデュルバルマブによる地固め療法後の局所再発後のサルベージ手術についての報告はいまだ少ない.症例.65歳男性.切除不能stage IIIA左上葉肺腺癌に対して,他院で化学放射線療法を実施され,これに続くデュルバルマブによる免疫チェックポイント阻害薬を地固め療法として継続した.化学放射線治療後,3か月後には腫瘍の縮小,リンパ節へのFDG集積の消失を認め,SDと判定されていたが,化学放射線治療から8か月後には,腫瘍の増大を認めた.一方,肺門部および縦隔のリンパ節は縮小しPET/CTでFDGの集積も消失したため,ycT2aN0M0 stage IBと判断.化学放射線療法の10か月後に,サルベージ手術として肺動脈も合併切除し左上葉を切除した.術後病理組織診断は低分化型腺癌で腫瘍周囲にリンパ球の浸潤を認め,広範囲な壊死,瘢痕化を認めypT1cN0M0 stage IA3 R0と判断した.無治療で術後14か月間,無再発生存中である.結論.化学放射線療法およびデュルバルマブ治療後のサルベージ手術を実施した1例を経験した.
索引用語:サルベージ手術, デュルバルマブ, 化学放射線療法, 非小細胞肺癌, PACIFIC試験

受付日:2022年2月24日
受理日:2022年3月24日

肺癌 62 (3):242─245,2022

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