タイトル
第62巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

高分解能CTとFDG-PET/CTによる肺腺癌の悪性度予測

吉川 真生1, 田尾 裕之1, 水谷 尚雄1
1姫路赤十字病院呼吸器外科

目的.肺腺癌の悪性度予測における高分解能CT検査およびFDG-PET/CT検査の有用性を検証する.方法.2016年4月から2021年2月までに,当院で充実径3 cm以下(cTis/T1)の肺腺癌に対して切除を行った症例を対象とした.WHO第5版のグレード分類に基づいて症例を3群に分け,consolidation tumor ratio(CTR),SUVmaxを含む臨床病理学的因子との関係を調査した.また,高悪性度を予測するCTR,SUVmaxのカットオフ値をROC解析で求め,両者を組み合わせた評価方法について検討した.結果.対象は78例で,3群間でCTRおよびSUVmax値に有意な差を認めた.高悪性度を検出するカットオフ値は,CTRが97.6%,SUVmaxが3.35であった.CTR ≧98%かつSUVmax >3.35を選択基準とすると,高悪性度群検出の感度,特異度はそれぞれ87.5%,85.5%であった.結論.高悪性度のcTis/T1肺腺癌は,高分解能CT検査とFDG-PET/CT検査の結果を組み合わせることにより高い精度で検出し得ることが示唆された.
索引用語:肺癌, 浸潤性腺癌, Consolidation tumor ratio:CTR, FDG-PET, SUVmax

受付日:2021年10月1日
受理日:2022年5月2日

肺癌 62 (4):299─303,2022

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