タイトル
第62巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

局所麻酔下胸腔鏡におけるクライオ生検で診断した胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍の1例

槌本 朱里1,2, 石川 立2, 越野 友太2, 池田 拓海2, 小橋 建太2, 安田 健人2, 長尾 喬生1,2, 浅井 悠一郎2, 森 勇樹2, 千葉 弘文2
1市立室蘭総合病院呼吸器内科, 2札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座

背景.胸水貯留をきたす疾患の診断に,局所麻酔下胸腔鏡検査は有用である.しかし,従来の生検鉗子では,病変の性質により検体採取が困難である症例を経験することがある.症例.51歳男性.特発性間質性肺炎の診断で当院通院中に,左胸水の貯留が出現した.左胸水貯留に対して局所麻酔下胸腔鏡による鉗子生検を試みたが,線維化により硬化した病変のため鉗子生検が不可能であった.そのため,局所麻酔下胸腔鏡下クライオ生検を施行したところ検体採取が可能であった.病理所見から胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍と診断した.結論.局所麻酔下胸腔鏡検査によるクライオ生検は,線維化により硬化して鉗子生検が困難な病変の診断に対して有用である可能性が示唆された.
索引用語:クライオ生検, 局所麻酔下胸腔鏡, 胸膜生検, SMARCA4欠損未分化腫瘍, 胸水

受付日:2022年4月4日
受理日:2022年5月11日

肺癌 62 (4):345─349,2022

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