タイトル
第62巻第5号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (240K)
Article in Japanese

─ 委員会報告 ─

肺がん検診ガイドラインの2022年改訂

佐川 元保1, 桜田 晃1, 芦澤 和人1, 前田 寿美子1, 中山 富雄1, 負門 克典1, 玄馬 顕一1, 小林 健1, 鳥居 陽子1, 竹中 大祐1, 丸山 雄一郎1, 三友 英紀1, 室田 真希子1, 梁川 雅弘1, 澁谷 潔1, 祖父江 友孝1, 原田 眞雄1, 三浦 弘之1
1日本肺癌学会肺がん検診委員会

日本肺癌学会肺がん検診委員会は,2022年に「肺がん検診ガイドライン」の改訂を行った.本稿では改訂に至った経過とその概要について解説する.「現行検診」に対する「推奨」は2010年ガイドラインから変化はなかった.全国的な精度管理の徹底や,国全体の死亡率減少効果への寄与度や感度・特異度の測定などに関する評価が必要である.「重喫煙者に対する低線量CT検診」は,欧米において肺癌死亡率減少効果のエビデンスが得られたが,過剰診断,偽陽性,放射線被ばくなどの不利益は無視できない.安易な導入を行って混乱する事態を避けるためには,まずは適切な「実装研究」を行うことにより,日本の社会にどのように導入することが望ましいのかを検討することが重要である.一方,「非/軽喫煙者に対する低線量CT検診」は,現在のところ有効性のエビデンスは十分でないため,それを集積することが第一に重要である.
索引用語:肺がん検診, ガイドライン, 有効性, 過剰診断, 偽陽性

肺癌 62 (5):351─354,2022

ページの先頭へ