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第62巻第5号目次 Japanese/English

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─ 総説 ─

免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子

越智 宣昭1, 山根 弘路1, 瀧川 奈義夫1
1川崎医科大学総合内科学4

免疫チェックポイント阻害薬の登場により,進行期非小細胞肺癌においても長期生存が期待される時代を迎えている.多くの肺癌患者に用いられるようになり,既存の治療との併用でさらなる有効性が期待される一方で,免疫チェックポイント阻害薬の費用や毒性も大きな問題となっている.真に用いるべき対象とそうでない対象を事前に明確にし,漠然と用いることによる毒性リスクを軽減し,費用を削減するための効果予測因子の同定は喫緊の課題である.腫瘍におけるPD-L1発現やTumor mutational burdenといった免疫チェックポイント阻害薬の効果予測マーカーが注目され,一部は実臨床ですでに広く使用されているもののいずれも単独では十分な効果予測因子とは言えない.本稿では免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子の現状と今後の課題について概説する.
索引用語:非小細胞肺癌, 免疫チェックポイント阻害薬, 効果予測因子, バイオマーカー, PD-L1

肺癌 62 (5):355─362,2022

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