第62巻第5号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
がん免疫療法のトランスレーショナルリサーチ
西 達也1, 冨樫 庸介11岡山大学学術研究院医歯薬学域腫瘍微小環境学分野
がん免疫療法の基盤となる腫瘍免疫研究の多くがマウスで行われてきたが,ヒトとは相違点も多く限界があるため,ヒト臨床検体の解析が腫瘍免疫の本態解明に重要と考えられている.近年,技術革新により網羅的遺伝子解析が可能になり,腫瘍組織を代表に糞便まで含め様々な検体が解析されている.これらは塊(バルク)で行われることが多いが,より精密な解析のためには免疫細胞を含む不均一な集団の1細胞解析が重要と思われ,そこから多くの新しい知見が明らかになっている.
索引用語:トランスレーショナルリサーチ, ネオ抗原, CD8陽性T細胞, 腫瘍免疫, バイオマーカー
肺癌 62 (5):363─370,2022