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第62巻第5号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
気道出血に対する姑息的手術と薬物療法により救命し得たBRAF陽性肺腺癌の1例
渡邉 菜摘1,2, 杉野 圭史1, 小野 紘貴1, 安藤 真弘1, 原口 秀司3, 小林 美穂4, 五十嵐 誠治4, 坪井 永保11慈山会医学研究所付属坪井病院呼吸器内科, 2福島県立医科大学附属病院呼吸器内科学講座, 慈山会医学研究所付属坪井病院 3呼吸器外科, 4病理診断科
背景．BRAF遺伝子変異は肺癌の稀なドライバー遺伝子変異である．症例．73歳．男性．X年4月より血痰が出現し，胸部X線で左下葉浸潤影が認められ細菌性肺炎として抗菌薬で加療されたが自覚症状，胸部CT所見ともに改善せず当院を受診．初診時に呼吸不全を合併しており，気管支鏡検査では左下葉支内腔に大量の出血を認めた．病理所見では腺癌と診断され，止血目的に左下葉切除術を施行したところ，呼吸不全は改善した．遺伝子検査の結果，BRAF V600E変異陽性であったため，dabrafenibとtrametinibを開始したところ残存腫瘍は著明に縮小した．結論．出血による呼吸不全を合併したBRAF V600E変異陽性肺腺癌に対する姑息的手術とdabrafenibとtrametinibの併用療法が奏効した症例を経験したので，報告する．
索引用語：BRAF変異, 非小細胞肺癌, 喀血, ダブラフェニブ/トラメチニブ
受付日：2022年3月27日
受理日：2022年7月4日
肺癌 62 (5)：429─432，2022
