タイトル
第62巻第5号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

ペムブロリズマブによる急性唾液腺炎をきたした進行非小細胞肺癌の1例

池川 香代子1, 神田 慎太郎2, 岡田 光代1, 花岡 孝臣3, 蔵井 誠4, 小泉 知展2
1JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院呼吸器内科, 2信州大学医学部血液・腫瘍内科学教室, 3JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院呼吸器外科, 4JA長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院呼吸器外科

背景.免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象として,乾燥症(sicca syndrome)を認めることがあるが,発熱や耳下腺腫脹を伴う急性唾液腺炎症状は稀である.症例.69歳男性.進行非小細胞肺癌に対して1次治療としてペムブロリズマブ単剤療法を開始した.治療開始42日目に発熱と両耳下腺腫脹,口内乾燥が出現し,血清アミラーゼは高値を示した.ペムブロリズマブによる免疫関連有害事象としての急性唾液腺炎と考え,副腎皮質ステロイド内服治療を行ったところ,症状は改善した.結論.乾燥症は免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象としてしばしば認めることがあるが,急性唾液腺炎を呈し副腎皮質ステロイドによる治療を要することもある.
索引用語:乾燥症, 唾液腺炎, 免疫関連有害事象, 免疫チェックポイント阻害薬, 非小細胞肺癌

受付日:2022年4月25日
受理日:2022年7月4日

肺癌 62 (5):433─437,2022

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