タイトル
第62巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

進行非小細胞肺癌患者におけるサルコペニア併存率および予後への影響

伊藤 真也1, 林 久恵2, 松本 維也1, 中野 理沙1, 安河内 祐太1, 原口 哲郎3, 井上 周3
1唐津赤十字病院リハビリテーション技術課, 2愛知淑徳大学健康医療科学部, 3唐津赤十字病院呼吸器内科

目的.本研究は,進行非小細胞肺癌患者のサルコペニア併存率および予後との関係を明らかにすることを目的とした.研究計画.IV期進行非小細胞肺癌でEastern Cooperative Oncology Group Performance Status 0~1の患者39例を対象に後方視的に調査した.握力,歩行速度,大腰筋指数より非サルコペニア群,サルコペニア群に分類後サルコペニア群の割合を算出した.その後,サルコペニアの有無,さらにサルコペニアの重症度別で全生存期間(OS)を比較した.結果.サルコペニアの併存率は41%であり,サルコペニア群のOSは非サルコペニア群より有意に不良であった(中央値,11.0ヵ月 vs. 17.9ヵ月,p<0.05).さらにサルコペニアの重症度の増加に伴いOSの低下がみられた(log-rank test for trend,p<0.05).結論.進行非小細胞肺癌では全身状態が良好であってもサルコペニアの併存率は高く,サルコペニアを正確に評価することが予後予測のために必要である.
索引用語:進行非小細胞肺癌, 予後因子, サルコペニア, リハビリテーション, 悪液質

受付日:2022年4月26日
受理日:2022年8月1日

肺癌 62 (7):975─982,2022

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