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第62巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
Carboplatin＋Paclitaxel＋Nivolumab＋Ipilimumab療法のinfusion-related reactionによる心停止後に救命し得た非小細胞肺癌の1例
関川 元基1,2, 角 俊行1,2, 江濵 由松3, 川村 亮太4, 武田 和也1,2, 長久 裕太1,2, 松浦 啓吾1,2, 渡辺 裕樹1, 山田 裕一1, 千葉 弘文21函館五稜郭病院呼吸器内科, 2札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科, 函館五稜郭病院 3救急科, 4循環器内科
背景．化学療法およびNivolumab（NIVO），Ipilimumabの併用療法は，進行・再発非小細胞肺癌に対する標準治療の一つである．同治療は臨床試験で化学療法群に対する全生存期間の有意な延長が示されているが，免疫関連有害事象の管理が重要である．症例．61歳男性．呼吸困難で受診し，右上葉非小細胞肺癌cT4N2M0 cStage IIIB，PD-L1 TPS 15％と診断された．同併用療法を開始したところ，day 10で明らかな腫瘍縮小を認めた．Day 22のNIVO投与時に全身の発赤と鼻閉を認め，grade 2のinfusion-related reaction（IRR）と判断しヒドロコルチゾン，H1・H2ブロッカーの投与を行ったところ速やかに改善した．NIVO再開直後に喘鳴と血圧低下，意識消失を認め心肺停止に至った．アドレナリンの静脈内反復投与にも反応がなく，気管挿管および体外式膜型人工肺を装着したところ自己心拍再開が得られた．ステロイドで治療し，後遺症なく退院した．結論．本治療におけるgrade 3以上の重篤なIRRの頻度は極めて低いが，重篤な病態を呈することもあるため留意が必要である．
索引用語：非小細胞肺癌, 注入に伴う反応, 免疫関連有害事象, 心肺停止
受付日：2022年6月16日
受理日：2022年8月6日
肺癌 62 (7)：1021─1025，2022
