タイトル
第63巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

免疫チェックポイント阻害剤を用いた周術期治療の展望

堀之内 秀仁1
1国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院呼吸器内科

近年,術後シスプラチン併用療法の実臨床への導入期と同様に,あるいはそれを凌駕するほど,周術期治療への注目度が高まっている.その一翼を担っている治療薬が免疫チェックポイント阻害剤であることは言うまでもない.周術期薬物療法は,外科切除で根治している真の非担癌状態の患者,外科切除では根治していない潜在的な担癌状態で薬物療法により治癒しうる患者,外科切除後と周術期治療を行っても治癒しない患者,の3つの集団に一様に同じ薬物療法を実施する状況にある.免疫チェックポイント阻害剤を用いた周術期治療としては,術後療法としてアテゾリズマブ(IMpower010試験),ペムブロリズマブ(PEARLS試験),術前療法としてニボルマブ(CheckMate 816試験)がすでに報告されている.さらに今後,術前・術後療法として現在進行期で利用されている免疫チェックポイント阻害剤を用いた臨床試験が実施されている.また,病理学的奏効やMinimal Residual Diseaseの活用により,周術期治療の患者選択も大きな転換期を迎えつつある.
索引用語:免疫チェックポイント阻害剤, 術後療法, 術前療法, 術前・術後療法, Minimal residual disease

肺癌 63 (1):2─7,2023

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