タイトル
第63巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

初回治療としてのカルボプラチン,ペメトレキセド,ペムブロリズマブ併用療法におけるTTF-1(thyroid transcription factor-1),TPS(tumor proportion score)と治療効果

岡部 福子1, 佐藤 真吾1, 柳瀬 隆文1, 樋口 貴俊1, 小牟田 清英1, 森下 直子1, 河原 邦光2,3, 鈴木 秀和1
大阪はびきの医療センター 1肺腫瘍内科, 2病理診断科, 3神戸大学大学院医学研究科地域連携病理学

目的.進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対するカルボプラチン+ペメトレキセド+ペムブロリズマブの有効性をTTF-1(thyroid transcription factor-1)とTPS(tumor proportion score)発現状況により解析した.方法.2019年1月から2021年12月までに本治療を開始した27例を後方視的に解析した.結果.TTF-1陽性群ではTPS陰性例/陽性例:8.4ヶ月/24.5ヶ月とTPS陽性例のPFSは有意に延長していた(ハザード比0.17[95%信頼区間:0.03~0.92];p=0.02).TTF-1とTPSの両方陽性群と,その他(TTF-1陽性/TPS陰性,TTF-1陰性/TPS陽性,両方陰性)に分けて解析したところ,PFS中央値は,その他/両方陽性群:6.4ヶ月/24.5ヶ月(ハザード比0.39[同:0.12~1.25];p=0.09)であり,両方陽性群でPFSは延長する傾向であった.結論.本治療法はTTF-1,TPS両方陽性群での治療効果が最も良好であり,他は代替レジメンの使用を考慮してもいいかもしれない.
索引用語:非小細胞肺癌, 免疫チェックポイント阻害薬, TTF-1, PD-L1, ペメトレキセド

受付日:2022年7月27日
受理日:2022年9月1日

肺癌 63 (1):15─21,2023

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