第63巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
Nivolumab+Ipilimumab併用療法によって生じたradiation recall pneumonitisの1例
池田 夢1, 吉岡 弘鎮1, 岡崎 優太1, 中西 健太郎1, 後藤 清里1, 生駒 龍興1, 深井 真璃1, 竹安 優貴1, 山中 雄太1, 中村 聡明2, 倉田 宝保1関西医科大学 1呼吸器腫瘍内科学講座, 2放射線科学講座
背景.照射想起肺臓炎(radiation recall pneumonitis:RRP)は放射線照射後に様々な薬剤で発現しうることが報告されている.症例.49歳男性.肺扁平上皮癌stage IIIAに対して2017年11月より同時化学放射線療法を施行した.2018年3月にgrade 2の放射線肺臓炎を発症し,プレドニゾロン(prednisolone:PSL)内服にて肺臓炎は改善し以降経過観察としていた.2021年7月のCTにて照射野内の縦隔リンパ節の腫大を認め,再発と診断しnivolumab+ipilimumabを開始した.サイクル1の22日目に乾性咳嗽が出現し,CTで前回の照射範囲内の放射線肺臓炎瘢痕部周囲にすりガラス陰影とコンソリデーションを認めたため,RRPと診断した.PSL(0.5 mg/kg)を開始し,RRPの改善後にPSLを5 mg/bodyまで減量した時点でnivolumab+ipilimumabを再開した.しかし,再開後21日目にRRPがgrade 3で再燃したためPSL(1.0 mg/kg)を開始した.結論.免疫チェックポイント阻害剤もRRPの原因薬剤の1つとなるため,注意が必要である.
索引用語:Nivolumab, Ipilimumab, 照射想起肺臓炎, 照射想起反応
受付日:2023年2月14日
受理日:2023年5月31日
肺癌 63 (4):319─324,2023